日本のカレー

年始に再会したドン・キング氏。
お土産に日本のカレールーを持て来てくれた。
「二段熟カレー」です。


スリランカ人に意外と評判が良いという日本のカレー。
早速作ってみました。


こんなモノは、日本で何十回何百回と作ったことが有るので、
適当に作っても良いのですが、
久しぶりの日本カレーということで、妙に慎重になり、
何度も箱裏の「作り方」を確認してしまった。


華麗なる食卓」の影響か、はたまたクソみたいなネット情報の影響か、
『漢方胃腸薬を隠し味に入れても美味しい』という
ウソみたいな話を思い出した。
まぁ、実際のところ漢方薬の成分の多くがスパイスとしてカレーに使われるし、
あの多少クセのある香りや味は、微量であれば
風味を豊かにしてくれるかもしれない。
そんな事を考えながら野菜の準備をしていると、
目の前に「サマハン」が・・・。


「サマハン」とは、このブログにも何度か登場しているが、
スパイス成分を抽出して作った、いわゆる顆粒の「スパイスティー」だ。


漢方薬がカレーの隠し味として使えるなら、あるいはサマハンも・・・」


そう思って手に取って眺めていると、意外にも目聡い奥さんが、
不信の目で見てくる。
「いや、いや、カレーに入れると美味しいんだよ・・・(多分ね)」


食文化というものは保守的だ。
なので普段、日本の料理を作るときにもちょっとだけ工夫する。
普通の煮物やスープを作ったりするときも、隠し味にスパイスを投入するのだ。
人間の嗅覚や味覚は不思議なもので、
食べ慣れた味や香りというのは、ごく少量でも敏感に感じ取ることが出来る。
全く新しい料理でも、食べ慣れた物だという感覚が生まれて、
意外とすんなり受け入れられたりする。
ただ、普段食料として認識されていないものを使ったり、
固定観念を覆すような使い方をすると、完全な逆効果になる。


例えば、レンズ豆のあんこ。
ランカでは、ご飯のおかずとして認識されているものを甘くして食べさせると、
人によっては気持ち悪くて食べられない。
今回の「サマハン」もそうかも知れない。
あれは「薬」として認識されているし、カレーに入れるなんて気持ち悪い。
そんな感覚だろう。


まぁ、お構いなしに入れるけど。


と、考えていたのですが、
結局、作っているうちに入れるのを忘れてしまい、失敗に終わった。


なので、自分の皿に盛りつけた後、少量振りかけてみた。




正直、微妙。


ルーとの統一感が出るまで煮込むならまだしも、
出来上がった完成品に振りかけても、ガラムマサラのようにはいかないようだ。
なんというか、「サマハン」の香りが勝ちすぎている。


まぁ、今回のような使い方では、良さが出ないかもしれないなぁ。
まだ未使用のルーが半分残っているので、次回作るときに
忘れずに入れてみよう。


あ、奥さんの反応ですが、上々でした。


「日本に行ったランカ人が、みんなお土産で買ってくるくらい人気なんだよ」
と、食べる前に情報操作しておいたのも、功を奏しているかもしれない。
事前情報や刷り込みというのは大事です。